能面展
日時:3月24日(金)~26日(日) 10:00~19:00(ただし最終日は18:00まで)
場所:ニナイテ多目的スペース
お気軽にお立ち寄りください。
能面展示会にあたって
21世紀すなわち2001年の1月から習い始めた能面打ちは、4年目から独自で制作を始めました。通算22年になり、友達等から一度個展を開いたらどうかと勧められて、この程三浦市民交流センターで開催する決心をしました。最初は、面打ちは「小面(こおもて)」から始まり「小面」に終わるということで「小面」という若い女性の面を手がけました。木を削っているときは無心になり時間を忘れて家族に注意をされたりしました。工程が進み4か月たって最後の古色を施して出来上がった時の嬉しさは感動モノでした。そういうことで一つでも多くの面を作りたくて、土・日の休日は面打ちに没頭しました。上達するにはプロの面打師の作品を観るのが良いと教えられ、各地の能面展に出かけました。その作品を観るにつけ、我が作品の拙さ、下手さに打ちひしがれましたが、それでもコツコツと数ではなく質を重んじるようになり、最近では年に2つくらいの制作となりました。長くは座っていられなくなったせいもありますが。出来た作品は60を超えていると思いますが、友人知人のお祝いや感謝の気持ちの表れとしてプレゼントしたりしましたが、まだ半数以上残っていて、自宅でギャラリーのように飾ってあります。
「能」というと余り馴染みのない古典芸能ですが、「能面」は見た目にとっつきやすく、深く見ればその美しさ、上品さ、優雅さをはじめ喜怒哀楽の表情を見るものに感じさせてくれる、またそのように制作者は心がけています。
能面は室町時代におおよその形が作られ、現代はその「写し」を作ることが主流になっています。
能面制作は別に「面を打つ(おもてをうつ)」という言い方をしますが、それは素材となる木の中に面の姿を見て、それをいかに引き出すか、余分なものをいかに削り出すかの作業と言われますが、しかし実際には写しであるから、設計図があり、それに従って打ち出し、削りだすのが作業であります。
行程としては、荒彫り、中削り、仕上彫り、面裏の塗装、胡粉下塗り、胡粉上塗り、胡粉地彩色、毛書きなどの部分仕上げ、古色仕上げ等の作業があります。その工程を進めるためには、ノミや彫刻刀の研ぎ、膠液と胡粉と絵具との調合、古色液(ヤシャの身から煮だす)を作り、馬の毛を染色、麻を叩いて解して眉にする作業等々いろいろな手作りのテクニックを擁して、この手作りがまた面白い。面袋も手縫いで作っています。
横山 均