手漉き和紙づくり②


楮の皮を水にさらしてちりを取る会員

楮の皮を叩いて繊維をほぐす作業


「三浦手漉き和紙を考える会」による和紙の手漉き体験が625日と27日に初声小学校で行われた。体験したのは6年生の児童。児童による手漉き体験は昨年に続いて2回目。

 

1日目は楮の皮を叩いて繊維をほぐす作業を行った。家庭科室に70人ほどの児童が集まって、まずは皮から細かいちりを取る作業から始めた。ちりを取り終えると、早く叩きたがっている児童もいた。叩くのに使うのはハンマー。そのハンマーの数が児童の数より少なかったので、今年は会員が木の枝を削って作った手作りハンマーも合わせて使用した。叩き始めるとほとんど声が聞こえなくなるほどの音だった。楮の皮を飛び散らせながら力いっぱい叩く児童もいれば、皮を薄く広げて丁寧に叩く児童もいた。根気のいる作業を途中で休憩をしながら40分ほど続けた。叩き続けていると不思議とみんなの叩くリズムが一致するときがあり、手拍子も起こった。

 

今年使った楮は会の畑で栽培したものだが、現在、小学校の花壇でも楮を栽培していて、その成長も順調なようだ。来年は小学校で栽培した楮を和紙作りに使用できるかもしれない。

初声小学校の花壇で栽培している楮

手漉き作業


2日目は手漉きを行った。会員が手順を説明した後、児童に体験してもらおうとしたが、みんな緊張していたようで最初にやりたがらなかった。それで、まず担任の先生にやってもらった。体験を終え緊張が解けた児童が「楽しかった」と言ったのを聞いて会員も喜んでいた。最後に会の副代表の小杉さんがあいさつし、児童と一緒に楽しい時間を過ごせたことに感謝するとともに、自身が卒業した小学校にお礼ができてよかったと述べていた。教室に帰るときには、2日間いっしょに作業した会員と楽しそうに言葉をかわしてなごり惜しそうにする児童もいた。児童が帰った後、会員が残りの材料で手漉きを行った。来年に向けての改善点などを話し合いながら、大人も子どものように和紙作りを楽しんでいた。

投稿日:2024年7月18日

市民記者:にがうり